不定期発行の住職ブログです。
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【はじめに ~出世本懐~】
無条件の教え ~他力本願~
どんないのちも平等に、もらすことなく救いたいと誓われた阿弥陀如来。どんな願いを持たれたのか、もう少し詳しくお伝えしたいと思います。
お釈迦さまは阿弥陀如来の教えの内容を「すべての人を必ず救う」ものだと説かれました。それは阿弥陀如来の願い、「本願」と呼ばれるものです。阿弥陀如来という仏さまはどのような方か、物語を⼀つ紹介させていただきましょう。
『仏説無量寿経』には、次のように説かれています。
昔、あるところに⼀人の国王がいました。国王は、世自在王仏の説法を聞いて感動し、自らも悟りを目指したいと思い、国王の位を棄て出家して、⼀人の修行者(菩薩)となりました。名を法蔵菩薩と言いました。そして、 五劫 という長い時間 思惟 して、四十八の請願(四十八願)を建てました。それは、いずれも「私が仏になるとき、○○できないようなら私は悟りを開きません。」というものです。中でも十八番目の願い(第十八願)には、「すべての人を必ず救う」という万人の救済が誓われているので、根本的な願いということで「本願」と呼ばれています。その後、法蔵菩薩は兆載永劫という長い間修行をして、ついに阿弥陀如来という仏になりました。それは、今からおよそ十劫も昔のことです。
これは『法蔵説話』と呼ばれているものですが、阿弥陀如来は仏になる前(悟られる前)にすべての人を必ず救いたいという願いを持たれたのです。そして、どうすれば誰⼀人もらすことなく救い取れるのか長い時間をかけて考えられました。その中身は次にお話しする「他力」ということですが、ここでのポイントは願いを持たれただけではなく、その願いはもう叶っているということです。
本願はもう既に成就されているということ。なぜなら、願いを持たれた法蔵菩薩は、悟られて願いを叶えられたからこそ阿弥陀如来となられたのです。
私たちの前におられる浄土真宗のご本尊は、阿弥陀如来です。お木像のご本尊であればわかりやすいですが、立っておられるその阿弥陀如来は少し前に傾いています。その理由は願いを持たれただけでなく、またその願いが成就したということだけでもなく、現に今私たちを救うはたらきとして届いているということを表しているのです。はたらきとしての力を持っていますので、これを「本願力」とも言います。
さて、⼀般的には良いおこないをすれば良い結果が生まれると思いますし、悪いことをすれば悪い結果が起こるだけでなく罰が当たるとまで言われています。ですので、悟りを得たいという結果のためには、自らを厳しく見つめ、自分が変わることによって苦しまず生きていく方法を見つけ出すというのが、通常の仏教観かと思います。
けれど、別な角度から見てみると、できる人、変われる人はそれでいいのかもしれませんが、それがどうしてもできない人、したいとも思わない人は、すくいからもれてしまうということになります。
そうはさせたくないと思われたのが阿弥陀如来という仏さまでした。全てのいのちを救い取るにはどんな簡単な条件でも付けてはいけない。「あなたが変わるのではなく、そのままのあなたをすくい取れるよう、私が変わります。」と誓い、すべての準備を整えられて、私にはたらいておられます。
もちろん悟りに向かう自らのおこないを否定されているわけではありません。けれど自分を見つめて分かるように、どうしても自らのおこないには限界があり、当て頼りにすることはできません。そんな私のことを先に承知してくださった阿弥陀如来は、すべてを仕上げてあなたのためにはたらいているから、私に任せてほしいとのこと。そのはたらきを受け入れ、お任せをすることを「他力」といいます。
よく「他力本願で勝ったようなものだ」と自分で努力してつかみ取らなければいけないというような意味で「他力本願」という言葉を使われているかもしれませんが、この言葉は自分で何もせず他に頼る生き方なのではなく、自己中心の心から離れられず真実に背いた生き方をしている私が、阿弥陀如来のはたらきに出遇うことによって、自らの愚かさに気づかされると同時に、少しずつではあるけれど、真実の生き方へと方向転換されていくという生き方を示していただいている大切な言葉であったのです。
※五劫:「劫」はインドの時間の単位。『大智度論』には四十⾥四方の石を、百年に⼀度ずつ薄い衣で払って、その石が摩滅しても劫は尽きない、とある。五劫はその五倍で、計り知れない、極めて長い時間のこと。
※思惟:心を集中させて考えをめぐらすこと。
参考文献
『高校生からの仏教入門-釈尊から親鸞聖人へ-』
小池秀章 著 本願寺出版社 発行
【私が救いのめあて ~悪人正機~】
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